連携が重要な介護医療院での仕事

介護医療院は近年に創設された、新しいスタイルの医療と福祉の複合型施設である。従来、医療と福祉の現場はそれぞれに役割が分担されており、心身の治療を目的としている医療機関などで長期の入院による滞在はあまりなく、治療が終われば退院するのが一般的である。さらにリハビリが必要な場合などは、リハビリテーション病院などに転院して治療を続けるものだ。福祉施設では基本的に治療は行わないので、施設利用者が体調を崩したときなどには医療機関に入院するスタイルだったのである。

介護医療院での仕事は複合型の施設なので、様々な職種のスタッフが存在しており、それぞれが仕事として自分の役割を果たしながら連携を取りあっているのである。ただし、職種が多いために、この連携がスムーズに行かないという問題点がみられる事もある。医師や看護師と介護スタッフは利用者との関わり方が職業上違うので、チームとして働きながらも意思疎通が上手く行かないことも多いものだ。このような問題点を改善してゆくには、まずは互いの役割の違いを明確にすることから始まり、立場や社会的な地位などを乗り越えて、利用者のために共に働くという視点を共有することが大切なのである。さらに定期的なチームミーティングを通して、こまめに利用者の状況を把握し合い、看取りやターミナルケアにも対応できるように、高齢者の治療の場であり、なおかつ生活の場でもあるという視点を持ち続けることが重要である。